全国を巡る中で、忘れられない出会いがいくつもありました。
今回の舞台は、大阪です。
……と言いたいところなのですが。
実は私、最初から大阪へ行くつもりはありませんでした。
🌸 兵庫で働くはずだったのに
当初、私は兵庫県で働く予定でした。
お店から指定された待ち合わせ場所へ向かい、初日の面接を迎えます。
迎えに来てくださった車へ乗り込み、しばらく走っていると、
「あれ……なんか遠くない?」
少しずつ違和感が出てきました。
そして気づいた頃には、大阪。
「事務所、大阪にあるんです😊」
「兵庫への出張もありますよ。でも基本は大阪ですね。」
どうやら私は、**大阪のお客様を中心に対応する“神戸店”**へ来たようです。
「なんでやねん😱」
そんなこんなで、予定より早く大阪で働くことになりました。
🌸 私にとって、大阪はちょっとしたラスボスでした
当時の私にとって、大阪は北海道とは文化も雰囲気もずいぶん違う場所に感じられました。
魅力的。
でも、少し怖い。
言いたいことをハッキリ伝える人も多く、最初はドキッとする場面もありました。
全国を回るなら、大阪はもう少し慣れてから。
最後の方に行こう。
そんなふうに思っていたのに、
まさかのラスボスが序盤に登場です。
でも結果として、この土地で私は少し変わりました。
それまでの私は、相手を怒らせないように、なるべく柔らかく伝えることが多い人間でした。
大阪でいろいろな人と接する中で、
「必要なことは、ちゃんと言っていいんだ。」
ということも少しずつ覚えていきました。
🌸 そこで出会った、一人の女性
このお店では、それまで働いた場所より女性同士で話す機会がありました。
そこで、今でも印象に残っている女性と出会います。
ここでは、A子ちゃんとしておきます。
私と同い年。
以前は、伝統文化に関わる仕事をしていた女性でした。
ある日、たまたまA子ちゃんの写メ日記用の写真を撮ることになりました。
すると、
「こまちちゃん、これすごいね。」
「こういうの、喜ぶ女の子たくさんいると思うよ。」
「カメラマンとか、写メ日記を教える仕事とか向いてそう。」
そんなふうに言ってくれました。
当時の私は、
「いやいや、私なんて。」
と思いながらも、
内心は、
「へへへ😊」
ちょっと嬉しかったのを覚えています。
今思えば、
自分が四国で必死に身につけた集客や写真の知識を、
初めて“誰かの役に立つもの”として見てくれた人の一人だったのかもしれません。
🌸 たった3日で、お別れ
ところが、A子ちゃんは身バレへの不安もあり、すぐにそのお店を辞めることになりました。
出会ってから、わずか数日。
短い時間でした。
それでも、
「なんだか純粋な目をした子だったな。」
「元気にしているといいな。」
不思議と心に残りました。
私もその後、2ヶ月ほど働いて、別の土地へ移ることにしました。
大阪をもっと見てみたかったけれど、その頃は仕事中心。
「まあ、また来ればいいか。」
そう思って、次の土地へ向かいました。
この旅をしていると、
今は手が届かなくても、未来でもう一度来ればいい。
そんな考え方も少しずつ身についた気がします。
🌸 今度こそ奈良……のはずでした
次に向かったのは奈良県。
鹿を眺めながら、
「かわいいなあ。たまにどついてくるけど癒やされる😊」
そんなことを考えていました。
求人には、奈良公園の近くで働くような内容が書かれていました。
「お仕事の途中で鹿見られるかな。」
ちょっと楽しみにしながら、お店の方と合流します。
車に乗り、しばらくすると――
またです。
「あれ……なんか遠くない?🤔」
嫌な予感がしました。
「すみません。」
「まさかとは思いますが……これ、大阪に向かってませんよね?」
「そうです。大阪です😊」
「基本的には大阪のお客様ですね。」
「😱😱😱」
前のお店とはまったく別の系列です。
なのに、
また大阪。
「奈良に来た意味は……。」
そんなことを考えながら大阪の事務所へ到着しました。
すると、そこでさらに驚くことが起きました。
🌸 「……A子ちゃん!?」
そこにいたのは、
以前のお店で出会ったA子ちゃんでした。
「ねえ、聞いてよ。」
「私、奈良で働くつもりだったのに、気づいたら大阪だった😐」
そう話すと、
A子ちゃんも、
「私も京都で働くつもりだったんだけど……大阪に連れてこられた😐」
……。
二人とも、行き先は違ったはずなのに。
なぜか大阪で再会しました。
今思えば、ちょっと笑ってしまいます。
私は奈良を中心に。
A子ちゃんは京都を中心に。
大阪に来る日はそれほど多くありませんでした。
でも、タイミングが重なった日はよく話をしました。
🌸 未来の話をした
話をする中で知ったのは、
A子ちゃんもまた、自分の未来を一生懸命探している人だということでした。
家族との別れや、これからの進路。
生活のこと。
もちろん、私とまったく同じ人生ではありません。
私には分からない苦労も、きっとたくさんあったと思います。
それでも、
「今とは違う未来へ進みたい。」
その気持ちは、どこか似ていました。
ある日、こんな話をしました。
「A子ちゃん、将来何したいの?」
すると、
「実は野望があってさ😎✨」
と話し始めます。
いつか、人を支える場所を自分でつくりたい。
支える側にも、支えられる側にも、無理が少ない環境をつくりたい。
そんな夢でした。
私は、
「それ、めちゃくちゃいいじゃん。」
と思いました。
優しいA子ちゃんなら、きっと当事者の気持ちを大切にした場所をつくるんだろうな。
そんな姿が想像できました。
そして今度は、
「こまちちゃんは?」
と聞かれました。
🌸 私がやりたかったこと
当時の私は、まだ「夜の道しるべ」をつくろうとは考えていませんでした。
でも、一つだけ少しずつ形になっていた想いがありました。
働く人のために、何かしたい。
能力や可能性があっても、
それを活かせる場所を見つけられない人がいる。
新しい仕事へ進みたくても、どう進めばいいのか分からない人もいる。
だったら、
その人が持っている力を見つけて。
必要なら学べる仕組みをつくって。
新しい仕事や、活躍できる場所そのものをつくれないだろうか。
そんなことを考えていました。
A子ちゃんの夢を聞きながら、
「なんか、私たちのやりたいことって、いつかどこかでつながるかもね😊」
そんな話をしたのを覚えています。
🌸 「いつか、お互い卒業したら」
私には、その頃入りたい会社がありました。
そこへ挑戦するために、資格の勉強もしていました。
「あと半年くらいしたら、面接受けてみようと思ってるんだ。」
と話しました。
するとA子ちゃんも、
「実は私、大学へ行きたいんだ。」
と教えてくれました。
だから二人で、
「お互い頑張ろうね。」
と言いました。
そして最後に、
「いつか、お互いこの仕事を卒業したら、一緒にお祝いしようね。」
そんな約束をしました。
私はまた、次の土地へ向かいました。
🌸 私だけが、未来を探していたわけじゃなかった
全国を旅する前の私は、
自分の人生を変えることで精いっぱいでした。
自分がどう生きるか。
何を学ぶか。
どこへ進むか。
そんなことばかり考えていました。
でも旅を続けていると、
私と同じように、
迷いながら。
悩みながら。
それでも未来を信じて頑張っている女性が、いろいろな場所にいることを知りました。
そして、自分が身につけ始めていたものにも、少しずつ意味が生まれ始めました。
集客の知識。
写真。
文章。
人の得意なことを見つける視点。
仕事の仕組みを考えること。
まだバラバラです。
まだ何になるのか、自分でも分かりません。
それでも、
「この力を使えば、誰かの選択肢を増やすことができるのかもしれない。」
そんな可能性が、少しずつ見え始めていました。
この頃の私が思い描いていたのは、
まだ「夜の世界で働く女性のため」という小さな範囲ではありませんでした。
もっと漠然と、
若い人や女性が、自分の力を活かせる場所を増やしたい。
そんな未来でした。
そして、その未来の中に。
今、夜の世界で一生懸命頑張っている女性たちの笑顔もあったらいいな。
そのくらいの、小さな気持ちでした。
まだ答えは見つかっていません。
でも、
私がずっと探していた
「誰のために、どんな方法で頑張りたいのか。」
その答えの輪郭が、少しずつ見え始めていました。
神楽こまち

🌸 夜の道しるべの歩み
「頑張る女性が、自分を削らなくても生きていける場所を作りたい。」
そんな想いから始まった活動です。
夜の道しるべの歴史や、これから目指している未来についてはこちらからどうぞ。
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夜の道しるべの歩み
【第22話】未来でまた会おう
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夜の道しるべの歩み
【第21話】激安店と高級店、両方で働いて見えたもの
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夜の道しるべの歩み
【第20話】鬼ヶ島で見つけた、新しい武器
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夜の道しるべの歩み
【第11話】私は、誰のために頑張りたいんだろう
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夜の道しるべの歩み
【第19話】吉備団子を持って、いざ鬼ヶ島へ
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夜の道しるべの歩み
【第17話】赤いリュックを背負って
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夜の道しるべの歩み
【第18話】次の行き先は、まさかのルーレット
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夜の道しるべの歩み
【第16話】肩の力を抜いたら、景色が変わった
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夜の道しるべの歩み
【第15話】一年間で、私に残ったもの
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夜の道しるべの歩み
【第14話】一人で進むことしか知らなかった
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夜の道しるべの歩み
【第13話】白か黒かしかなかった頃
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夜の道しるべの歩み
【第12話】突然笑えなくなった日

