あの頃の私は、
お客さんのことを、
どこか“巨人”のように感じていました。
自分は小さくて、
相手はとても大きい。
そんな感覚。
よく知らない男性と、
密室で2人きりになる。
それだけでも、本当はとても怖いことです。
体の大きさも、力も、
相手の方が圧倒的に強い。
どれだけ言葉で「嫌だ」と伝えても、
相手の気分ひとつで
簡単にねじ伏せられてしまうかもしれない。
そんな状況の中に、
私はいました。
もちろん、すべての人がそうではありません。
でも、
無意識でも力でコントロールしようとする人は、
確かに存在していました。
「サービスよくしなきゃ評価下げるよ」
「どうするの?このままだと時間なくなるけど」
そういう言葉に、
強く言い返せるほどの余裕もなくて、
私はただ、
その場を壊さないように振る舞うしかありませんでした。
だから、
愛嬌を使って、
空気を柔らかくして、
仲がいい雰囲気を作って、
相手が望む言葉を返していました。
それが、
自分を守るための、
唯一の方法だったからです。
男性側からしたら、
「仲良くなれた」
「いい時間だった」
そう思っているかもしれません。
でも、私の中ではずっと、
対等な関係だとは思えませんでした。
あの空間では、
最初から立場に差があって、
その中でどう振る舞うかを、
ずっと考えていた気がします。
うまく言えないけど、
同じように
「怖い」とか
「しんどい」と感じながら
頑張っている人もいるんじゃないかなと思います。
私も、そうでした。
あの頃は、
それが普通だと思っていたけど、
今振り返ると、
ちゃんとしんどい状況だったんだと思います。
だからもし、
同じように感じている人がいたら、
その感覚は間違っていないと思います。
こまち

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