あのとき、初めて笑えた

あの頃の私は、

オシャレをしたり、
美味しいものを食べたり、
好きな場所に行ったり、

そんな当たり前のことを、
ずっと我慢していました。


未来のために勉強したいとか、
何かスキルを身につけたいとか、

そういう気持ちもあったけど、

目の前の生活を維持することで精一杯で、
全部、先延ばしになっていました。


1年、2年と過ぎていくうちに、

「このまま気づいたら10年経ってるかもしれない」

そんな感覚がありました。


でもそのとき、

10年後の自分を想像しても、
何も浮かばなかったんです。


未来が見えない。


今の延長線上に、
自分の人生があるとは思えなかった。


だから私は、

それまでのレールから外れることを選びました。


この業界に入ったのも、
その選択のひとつでした。


風俗の仕事は、
将来性がないと言われることもあります。


でも当時の私にとっては、

時間と自由を取り戻せる
数少ない手段でした。


収入が上がることで、
自分のために使える時間が増える。


その時間を使って、

自分の好きなことをしたり、
学び直したり、

未来のために動くことができるかもしれない。


そう思いました。


「悔しい。こんなところで終わってたまるか」


「誰のせいにもせずに、
絶対に自分で幸せを掴む」


入店した初日、
私は確かにそう思っていました。


そして実際に、

祖母の旅行の夢を叶えたり、
自分のやりたかったことを少しずつ叶えたり、

ずっと我慢していた願いが、
たった数ヶ月で現実になりました。


あのとき、

泣きながら笑いが止まりませんでした。


うまく言えないけど、

あの瞬間、
初めて「生きてる」と思えた気がします。

こまち

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神楽こまち
5年間札幌のすすきので風俗嬢をしていました。現在は東京の某会社で事務職に務めています。休日は女性のお悩み相談窓口でボランティアの相談員として活動中。
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